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29 Feb.08 Fri
今年は一日多いとはいえ、あっという間に過ぎてしまった2月。読書のペースは確実に落ちているのですが、今月はなんと言ってもNED-WLTさんの「はじめての課長の教科書」が楽しめました。 が、こちらはすでに感想文をアップしてしまったので、別の一冊。高坂正堯著「海洋国家日本の構想」。 高坂先生の授業に出ていたのはもう20年以上前の話ですが、そのときに図書館で読んだのが始めてでした。その後、都市出版から出た「高坂正堯著作集全8巻」もいろいろあって買って沖縄、ベルギーと持ち歩いたのですが、結局パラパラとめくる程度でじっくり読み直すことはありませんでした。 ある雪の降った夜、飲み屋での待ち合わせ迄の間に入った銀座の書店で中公クラシックスに入っているのをみつけ、思わず買ってしまった、と言うわけです。 すでに古典となったタイトルの「海洋国家日本の構想」をはじめ、新進気鋭の国際政治学者として鮮烈な論壇デビューを飾った「現実主義者の平和論」といった一連の論文は総合雑誌に掲載されたこともあり、平易な文章でつづられています。 高坂は日本を、地理的には極東に位置しながらも「極西」ともいえる、東洋と西洋、いずれにも自己を分類できない存在であると位置づけ、そこから日本のあるべき国家像を探って行きます。 この「日本を独自の存在」とする分類は、ハンティントンの「文明の衝突」と基本的に同一であり、30年近く前にその論拠を示した若き高坂の分析は注目に値します。 しかし、いずれの論文も発表されてから40年以上が経過しており、日本を取り巻く国際情勢は当時から決して想像できないほど大きく変化を遂げており、内容的に古さを感じられるところがあるのは仕方無いところでしょう。 本書には高坂の一番弟子である、中西寛(この辺りから本当は呼び捨てにしにくくなるのですが...)の解説が添えられています。(この解説が中々良くできていて、ここだけ読めば各論文に何が書いてあるか、よくわかります。) その中で中西が「国際政治の構造も日本の状況も大きく変化した今日、本書の内容は時代遅れなのではないか。・・・実際に読み進めれば、多くの読者は本書のここかしこに今日にも通じる多くの示唆を感じ取ることができるだろうと信じる。」と述べ、最後に「本書は、・・・どれほど優れた論考が論壇において提示されていたかを示す記念碑的な作品である。しかしそれは、何百年にも前に鍛えられた名刀がその鋭さを少しも失わないのと同様に、今日の我々が真剣に向き合うべき問題的をつきつけてくる、・・・」と結ぶように、世界の中で日本の置かれた位置を考える際には一度は読んでおくべき時代を超えた名著なのです。 すでにこの中公クラシックスには、高坂が特別の愛着を示し、その著書のゴーストライターを務めたともされる吉田茂論「宰相 吉田茂」がすでに入っていますが、最高傑作(?)「古典外交の成熟と崩壊」が絶版なのは残念な限りです。 などと書くと、「まあ、キミねぇ、そんなんどうでもええんとちゃう」とちょっと甲高い高坂先生の京都弁が聞こえてきそうですが(笑)。 Amazon:海洋国家日本の構想 (中公クラシックス J 35)
by credenza
| 2008-02-29 23:42
| 読書つれづれ
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