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07 Aug.06 Mon
久しぶりに顔を出した職場で、新聞を見たらエリザベート・シュヴァルツコップが亡くなったとの記事を見つけました。 あわてて記事を検索して見ると、3日オーストリアの自宅で亡くなった由。90歳。 シュヴァルツコップは79年に引退しているので、もちろん生の舞台に接する機会は無かったのですが、一度だけ会って話をしたことがあります。 毎年のように仕事の合間を見つけてぶらぶらとヨーロッパで遊んでいた頃、ウィーンの国立劇場の横にあるレコード屋でシュヴァルツコップがサイン会をする、というので幕が上がるまでの時間つぶし、とウィーンの人たちに混じって行列し、サインをもらったのでした。 そのときのお話は昔HPに書きました。FT紙の短い訃報を読んで、そういえば一昨年出て途中まで読んでおいてあるシュヴァルツコップの自伝"Les Autres Soirs"のことを思い出し、家に帰って取り出して見ると、そのときの写真が一緒にはさんでありました。改めてスキャンしてみました。サインは"Very cordially, Elizabeth Legge Schwarzkopf"と書かれています。夫君だったWalter Leggeの名前がきちんと書かれていることにちょっと感動したことを思い出しました。 シュヴァルツコップはEMIのプロデューサーのレッグと組んで、多数の録音を残しました。中でもR.シュトラウス「薔薇の騎士」の元帥夫人は極めつけのはまり役でしたし、ヒューゴー・ヴォルフをはじめとするリートの完成度も、「完璧主義」を貫いた彼女の録音は他の追従を許さないものでした。 でも、もし、たった一枚、彼女の録音から選ぶとすれば、やはりR.シュトラウスの「4つの最後の歌」ではないでしょうか。R.シュトラウスの遺作となったこの4曲。失われていく19世紀の輝きを最後にとどめるような、比類の無い美しさです。最後の「夕映えの中に(Im Abendrot)」の響きが静寂の中に消えていくとき、遠く過ぎ去り二度とは戻らない美しい時代への懐かしさが寂寥感とともに迫ってきます。シュヴァルツコップの歌唱はほぼ完璧といえるもので、時には却ってその「完璧さ」が鼻につくことこそあれ、限りない深みを持って聴く人にうったえます。(ま、あまりにもちょっと、と思うときはグンドゥラ・ヤノヴィッツ/カラヤン盤があれば言うことはありません・・・) もう一枚。モーツアルトもヴォルフもシューベルトもシューマンも捨てがたいのですが、どうしても、となるとオペレッタ・アリア集でしょうか。ウィーンのオペレッタの花束がここにあります。ステージでは歌うことの無かったこのアリア集に見せたシュヴァルツコップの芸達者ぶりは、滅多には全曲を通して聴くことの無いこれらのオペレッタをわざわざもう一度聴いて見たいと思わせるほどの説得力を持っています。(ただし、本当に聴くとがっかりさせられることも多いのですが・・・) このCDの最後に歌われるジーチンスキーの「ウィーン、我が夢の町」。シュヴァルツコップは大抵はウィーン訛りでゆったり歌うところを、誰にも真似の出来ない軽やかなスピードですっと歌っていますがそのスマートでかつノンシャラントな歌いぶりは却って粋なウィーンにぴったりかもしれません。最後の歌詞は「私がこの世を去るとき、それはきっと美しい。もう歩くこともなく、すっと天に昇っていく。そして足下にウィーンの町を見下ろすとき、きっとシュテファン寺院の尖塔は私を見上げて挨拶してくれるだろう」といった内容ですがシュヴァルツコップは軽やかに歌いきります。 90歳の天寿を全うしたシュヴァルツコップ。歌にあるとおり、シュターツ・オパーから遠くないシュテファン寺院の尖塔を見下ろしているのでしょうか。
by credenza
| 2006-08-07 23:18
| opera
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