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31 Mar.10 wed
毎年年度末はなぜかしらどたばたしがちで、その一方で「桜が咲いたらやっぱり撮りに取りに行かなきゃ」と何かしらそわそわしているので、なんだか落ち着いて本を読んでいない様な気がします。読んだ本の数もずっと少なく・・・ そんな中、ちょっと面白かったのはこの藤原正彦著 「名著講義」 です。著者の本職は数学者ですが、エッセイストとしても有名で、むしろ私などはこちらの方からしか知らないのですが。 数年前「国家の品格 (新潮新書)」 でいわゆる品格本ブームを起こした著者。その後「品格本の品格」が出てもおかしくないほど、多くの本が出されました。著者の考え方はまあ、外国暮らしをすれば誰でも感じるような、少し行き過ぎた感じもしないでもない愛国的なものです。これ、外国で読むとなかなか感じるところがあったりするのですが。 さて、この「名著講義」はもともと文藝春秋に連載された、著者がお茶の水女子大で行ったゼミの模様を書き起こしたものです。もちろん著者専門の数学では無く、日本の名著を毎週一冊づつ取り上げてゼミ生と議論するもの、いわば読書会の体をとっています。 で、この「講義」に取り上げられた本は新渡戸稲造『武士道』に始まり、内村鑑三『余は如何にして基督信徒となりし乎』、福沢諭吉『学問のすゝめ』、無着成恭『山びこ学校』など11冊。眺めてみると、大抵はかつて時間がたっぷり有った頃、読んだものばかりです。 いずれも名著には違いありませんが、幕末から明治、そして「きけわだつみのこえ」に至る戦前の日本で出版された本で、外国のものは入っていません。まあ、というわけで著者の意図は明らかで、「とかくネガティヴに見られがちな近代日本ってこんなに良かったのだ」という、「国家の品格」と根底では同じメッセージです。 もっとも、それを押しつけるでもなく、参加しているゼミ生の方がかえって藤原先生よりもっと保守的だったりするのに驚くのですが、屈託無く和気藹々と議論が進んでいる様が伺えます。もちろん読書会ではありませんから、むしろ「名著」に触発されて自分の考えを見直す、その書かれた時代背景を著者から「講義」を受ける、という感じですので、学問的な議論が深まるようなことはありません。それはこの「講義」が目指すところでは無いと思われます。 それにしても感受性豊かであるものの、なにかと忙しい(?)大学1年生の頃にこういった書物を毎週一冊づつ読んで議論する、というのは並大抵のことではありません。勢いまじめな学生が集まっているので、これを読んで「ああ、日本はまだまだ大丈夫だ」などと著者や読者が思うのは、ある意味おめでたい誤解なのかもしれません。 それでも、この本を読み通して感じるのは、がむしゃらに読書していたあの頃、このように解説付きで他の友人達と議論が出来れば楽しかったろうに、という思いと同時に、もう一度ゆっくりこれらの本を繰ってみたい、でもそれはなかなか出来そうにないだろう、という遠く去ってしまったあの時間へのため息混じりのあこがれだったりします。 最後に、著者の「最終講義」も収録されています。あの全米でベストセラーになったランディ・パウシュ著 「最後の授業 ぼくの命があるうちに DVD付き」 の感動ほどは無いかもしれませんが、著者がこの「名著講義」に至った経緯を本人の口からたどることができ、これだけでも一読の価値はあります。
by credenza
| 2010-03-31 23:06
| 読書つれづれ
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