フォロー中のブログ
ブラッセルの風・それから
ハナウタまじりで*** 生きる歓び Plaisi... コーヒーでほっと一息・・・ ★miyack.blog... カナダ生活♪~Cross... gyuのバルセロナ便り ... パリの空気 パリときどきバブー f... Belgium-Toky... NED-WLT エミリアからの便り MロコBログ ケルンだより その2 うろうろ、ごそごそ。(旧館) 毎日手紙を描こう★貰うと... 小国での日々 第8章 あさひろむ 陶工房「上名窯」通信・... Cafe de juju 蓄音器で遊ぼう de temps en ... 夢花 3 素敵に咲く花... En Ville qui... 麦畑のむこう Cecile Story いぼたろうの あれも聴き... Yamyam町一丁目 ブログ(excite以外)
ベルギーの窓より ベルギー生活。のほほん。 カメラと一緒にパリでお散歩 Welkom! Amsterdam さんるい横丁 ビールを飲みながら ひねもすのたりの日々 得之弦外 芸術と旅と花を愛する日記 やんずのマインドマップ 蘇州はハオチー 一期一会・・・…〆 雨やどり 夜の断想 to Home Page Today: Yesterday: カテゴリ
全体 opera gourmet chocolat de Belgique promenade vitraux vins Photo Bieres de Belgique chateaux Art Nouveau Gramophone Malte (2006) 読書つれづれ 未分類 以前の記事
最新のトラックバック
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
27 Feb.09 thu
越前敏弥著 『日本人なら必ず誤訳する英文』 なんとも衝撃的なタイトルの本です。帯はさらに過激で「英語自慢の鼻をへし折る!」と挑戦的です。 このような攻撃的なタイトルを掲げた英語本はひょっとすると初めてかもしれません。というか、タイトルの「対偶」をとってみると、「この英文を誤訳しなければ日本人ではない!」ということになりますから、いささか物騒ですらあります(笑)。 ともあれ、オバマ大統領の一連の演説がベストセラーになり、ちょっとした英語ブームが起こっているようで某国営放送局もニュースで取り上げたりしています。そんな中どれぐらいの「英語自慢」が現れたのでしょうか。そんな英語ブームへちょっとした波紋を本書は広げるかも知れません。 この本の著者は「ダ・ヴィンチ・コード」の翻訳者で、他にも多くの翻訳書がある越前敏弥氏です。中身はタイトルの過激さとは正反対で、そこそこ英語が使える人でもうっかりすると訳し間違えてしまうような英文を例文としてとりあげ、なぜ誤訳してしまうのかを丁寧に解説してあります。ある意味、大学受験レベルの英文解釈の参考書に似ています。解説がより丁寧、というか受験参考書とは違ってあまり重箱の隅をつつくようなことになっていない分好感がもてます。 例文はやさしいものから難しいものまで3段階に分けられ、最初のレベルの問題は文法事項ごとに分類されています。難問編と超難問編の例文には実際に翻訳学校での正答率が示されており、中には正答率5%などという例文もありますから、これがきちんと訳せればちょっとした優越感を感じることもできます。 さすがに超難問編になってくると、ゆっくりきちんと読まないと間違えそうな例文が並んでいます。レベル的には大学入試問題とどっこいどっこいという感じがしますが、いかがでしょうか。昔の入試問題にはバートランド・ラッセルだのサマセット・モームだの結構難解な英文が並んでいたと思うのですが、もうずいぶん前のことなのですっかり覚えていません。 外国語の翻訳、特に全体のコンテキストが必ずしも示されていない文章の断片の翻訳はたぶんにパズルを解くのに似ているところがあります。その解法をきちんと解き明かしてくれるのでなぜ自分が誤訳してしまったのか、きちんと納得できます。 翻訳という作業は、どうしたって完全に間違いを排除することは不可能でしょう。これまで誤訳をテーマに扱った本はそこそこ出ていますが、その多くが誤訳をことさらあげつらい、翻訳者を非難するにとどまっている(まあ、読むに耐えない、ほとんど日本語の単語をランダムに並べただけという翻訳がまだまだ多いことも事実ですが・・・)ことから比べると、本書は英語をきちんと学ぼうとする方、ペーパーバックはパラパラ読めるけれど、どうも時々意味がわからなくなっている方には一読の価値があるのではないでしょうか。 本書の中に収録されているインタビューの中で著者は「結局、英語を正しく理解しているか否かを知るには、訳してみる以外には方法はないのです。・・・おそらく正しく訳せないものは絶対に理解できていないとおもいます。」と喝破します。訳すことなく「英語を英語のまま理解する」ことがもてはやされる中で、これは一つの見識です。 正しく訳すこと、その方法として著者が繰り返し説いているのは、「左から右へ読むこと」です。関係代名詞があれば後ろから訳す、などと中学生の頃から教え込まれているために、この当たり前のルールが無視された挙句誤訳してしまう、と言うのがこの本の最大のポイントです。丁寧な解説はそのルールを改めて確認させてくれます。 もっとも、そういった上で何なのですが、はっきり言ってしまうとこの本に出てくる程度の英文がそこそこきちんと訳せないようでは、さすがにその方の英語は使い物にならないといわざるを得ません。というのも、小飼弾氏の書評(このページ、ついているコメントも含め、結構面白いです)をご覧になるとお分かりのとおり、ちょっと工夫してやると機械翻訳だってそこそこ訳せているわけですから。 ちょっと力試しするにしてはハードルが高いと感じられるかもしれません。でも鼻がへし折られるかどうか、おっかなびっくり試してみるのも悪くはありません・・・まあ、訳せなくっても日本人でなくなるわけではないのでその辺は安心です(笑)。 ついでながら、しっくりくる日本語に翻訳するときにちょっと頼りになる本に『新編 英和翻訳表現辞典』があります。こちらは本書とは違い、読者の英語力を試すようなものではなくあくまで「辞典」ですが、とにかく英語からきれいな日本語を作り出す際に大いに参考になります。 例えば" go away"を調べて見ると『「去る」という訳が一般的だが、「帰る」の方がぴったり来る場合も多いのでは。』とあって、"Go away!" he said in anger.の訳として「<帰ってくれ!>と彼はぷりぷりして言った。」と出てきます。 一寸やりすぎの感もありますが、時々パラパラめくっていると面白く、ついつい読んでしまいます。お薦めです。
by credenza
| 2009-02-27 00:43
| 読書つれづれ
|
ファン申請 |
||